『道は開ける』【作家がおすすめする本 〜人生を豊かにする本〜】

【作家がおすすめする本 〜人生を豊かにする本〜】
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【人生を豊かにする本】
……作家という職業、そして二千冊を読んだ中から、オススメの本を紹介するカテゴリーです。


※二千冊は大した量ではないので、
(謙遜ではなく、おなじ歳で四千冊とか読んでる人もいらっしゃるので)目をひく言葉でも恥ずかしいですね。。
(二千冊の弁明はこちら↓)

関連記事「読んでない本棚」


 今回紹介する『道は開ける』も、前回の『道をひらく』とおなじく(名前が似ています)、

 「娯楽の本」ではなく、「人生をうまく生きるための本」です。


『道は開ける』 概要


コロナの中で、何を読んだらいいですか

 もしそのような質問をいただいたら、真っ先にオススメする本です。


  • 【タイトル】 『道は開ける』
    (原題:『HOW TO STEP WORRYING AND START LIVING』

  • 【著者】 デール・カーネギー(DALE CARNEGIE)

  • 【翻訳】 香山晶

  • 【出版】 創元社

  • 【初版】 1999年10月20日



photo by wiki(リンク先 wiki『道は開ける』)

『道をひらく』新装版(リンク先 amazon)

『道をひらく』文庫版(リンク先 同上)

『道をひらく』オーディオブック(リンク先 同上)

 
 ほかにも新訳版、漫画版、超訳版など多数あります。

 
 オススメは新装版、もしくは文庫版です。
 車での移動が多い方はオーディオ版ですね。


どのような内容か


 
 立場も状況もさまざまな人々の、じつにいろいろな悩みと解決法小話で集められています。

 
 本書は、著者のカーネギー氏が「悩み解消教室」というべき場所で講師をしていたときに、

 さまざまな立場の人々の悩みをきき、人々がどうやって解決していったか、

 悩みの小話を集めた構成になっています。




 ほかの本とちがい、経営者とか芸能人とか、
 
 特別な人たちではないのが良いですね。


 偉人たちの挫折からのV字回復は、センセーショナルで凄いのですが、

 いざ自分の身に役立てようと思うと「その強さと行動力、私には無理」となることが多いと思います。




 本書に出てくる方々は、経営者もおられますが、普通の人々であり本当にあった話です。
 
 

 だれもが抱くような悩みなので現実に役立てやすいのが素晴らしい点です。


photo by John Hain

 

 営業がうまくいかない、恋愛がうまくいかない
 仕事がうまくいかない、取引に失敗した
 人間関係がうまくいかない、失業した
 貧しくなりそうだ、電気や水道・家賃の支払いが心配
 夢をあきらめた、新しいことに挑戦したが失敗した
 子育てがうまくいかない、子供の養育費が心配
 老後が心配、お金が貯まらない
 病気になった、事故にあった、肉親を失った




 こうしたものについて書かれています。


 だれでも抱える悩みですね。
 もし自分と同じ悩みがあれば、まさに参考になるでしょう。


オススメのポイント


  1. 読みやすい 
    ☆☆☆☆☆(星5)

  2. 「悩み」の仕組みについて知ることができる 
    ☆☆☆☆☆☆☆(星7)

  3. 悩みが相当程度、解消できる 
    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆(星9)


 発行部数は、さっと調べると国内で200万部以上

 全世界では姉妹本の『人を動かす』が1500万部を越えていますから、それより少し下くらいではないでしょうか。
 

 余談ですが、ここで「良書の探し方」について触れます。



「売れている=良書」ではなく、
 
 何百万部と売れていてもすぐに忘れられる本もたくさんあります

 しかし、悪書は絶対に売れません。


 
 つまり発行部数は、良書を探すひとつの手がかりになります。
 


 また本書のように、オーディオブックや漫画、超訳になっているものは、
 
 さらに良書である確率が上がります。
 (相当広まった本でないと、出版社さんがそこまで出してくれないからですね。
 こちらも良書を探す手がかりとなります)


 
 どのような方でも、どうせ読むなら良書を読みたいと思いますので、

 個人的には「作者が死んでも残っている」が、良書を探すもっとも強力な条件だと思います



 手当たり次第におすすめを聞いて回るのは、あまりおすすめではありません。


 おすすめを聞く場合は、その道の専門家、多読家とか、作家に聞くのがいい方法です


photo by PIRO4D



1、読みやすい ☆☆☆☆☆(星5)

 取りあげられるエピソードは、アメリカで暮らす人々が主体ですが、

 悩みは大体どこの国の人も、その内容は一緒です。


 ※恋愛、仕事、お金、人間関係、家族、老いなどです。

 「題材がだれでも共感できる悩み」であること、

 また前回紹介した松下幸之助さんの『道をひらく』と同じく、

 小さなエピソードの塊なので、

 
 読みやすく、閉じてもまた再開しやすいこと、これも読みやすいポイントです。



 ・前回記事『道をひらく』

道をひらく 画像




「あれ? どこまで読んだっけ?」という経験は、

 誰もがなさっていると思いますが、


 こちらの本は、前回までの内容を忘れてしまっても問題なく、
 
 なんでしたら最初から好きなページを読んでも大丈夫です。


 むしろキャッチーであるべき導入部こそが、少し長いかもしれません。
(カーネギーさん、ケチつけて申し訳ないです。。そう感じるかなと思いまして)


2、悩みの仕組みについて知ることができる ☆☆☆☆☆☆☆(星7)

 
 本書を読むことで、

 人生で尽きることのない「悩み」というものについて、知ることができます

 


 たとえば「悩みの仕組み その1」。



 人は「正体のわからないものに恐怖し、大きいストレスを感じ」ます。



 たとえばたとえば、

 未来というものは輝かしいものですが、うまくいってないときは、
「この調子では、このさきどうなるかわからない」となるので、

 大きな不安となってしまうわけですね。


 わからないから、怖いし、不安だし、悩みになる

 

 たとえば✖️3、

 人間がまだ洞窟の中で暮らしていた頃は、雷の原理がわからなかったですから、

 これはそうとう恐ろしかったでしょう。

photo by Dr StClaire

 

 空が光り、恐ろしい音がし、空気が震え、空から落ちてきて山火事まで起こす。

 
 そのようなとき、人は恐怖と付き合っていくために「名付け」をします。

「あれは雷神様が怒っていらっしゃる」
 ということで、
「未知のもの」に名付けをすることにより「既知」圏内に引っ張り、恐怖と付き合うのです。



「悩み」も一緒で、
解決するには、相手を知ることが対処の第一歩です。


 自分は悩むほうだなあと思う方は、現在の自分を悩ますそれが何なのか

 まず知ることからはじめると良いと思います。



「わからない」ものに対して対処するには、まず情報収拾


 



 本書は、悩みとその原因について、わかりやすく書いてありますので、

 悩みというものの性質・メカニズムについて知ることができます。



 3、悩みが相当程度、解消できる ☆☆☆☆☆☆☆☆☆(星9)


 原因がわかれば、対処法を考えることができます

 悩みの発生についてわかれば、少なくすることができます

 悩みの性質を知れば、うまくいなし、乗りこなすことができます



photo by Amanda McConnell

 

 たとえば私は年々、自分の能力を高めることを優先するようになってきています。
 ※社内ではなく、社外から見た場合の能力とか。


 地位も土地もお金も、この身ひとつ以外のものは、

 必ずはがされてしまう可能性をふくんでいると気づいたからです。

 しかし、能力は決して、ひきはがせません

 

 社外の人から見ても「すごい人だ」という能力があれば、転職先やその条件で困ることはありません。



 行き着いた先では「0からでも立ち上がれる」という気合いと能力になり、


 そうなると、物質とかお金を失う悩みは、かなり軽くなっていると思います。



 能力があがると、我が身だけでなく、まわりの方も組織も助かりますので、いいことづくめですね。

 

抜粋


 
 以下に本書から、ひとつ抜粋します。


 万人の悩みではありませんが、

 「よりつらいことを経験すると、それまでの悩みが小さくなる」という素晴らしい(?)エピソードです。



「私(※カーネギー氏 冴崎註)にとって終生忘れることができない劇的な物語がある。この話を聞かせてくれたのは、ニュージャージー州、メイプルウッドに住むロバート・ムーアである。

「1945年3月、私は人生で最大の教訓を学んだ。
 それはインドシナ海の沖合、水深87・5メートルの海底であった。
 私は、潜水艦ベーヤ号の乗組員88名中の一員だった。
 われわれはレーダーによって、小さな日本の護衛艦がこちらへ向かっているのを発見した。
 夜明けが近づくと、われわれは攻撃のために潜航を始めた。
 潜望鏡がとらえたのは、この護衛役の駆逐艦、タンカー、機雷敷設艦だった。
 われわれは駆逐艦めがけて三発の魚雷を発射したが命中しなかった。
 どれも魚雷の装置が故障していたのだ。
 日本の駆逐艦は、自分が攻撃されたとも知らずに、そのまま進んで行った。
 われわれが最後尾の機雷敷設艦を攻撃する準備に移ったとき、不意に駆逐艦が方向転換し、一直線にわれわれのほうへ進んできた。
(日本の飛行機が海面下18メートルにいたわれわれを見つけて、機雷敷設艦に無線でその位置を知らせたためだった)。
 われわれは探知されないように水深46メートルまで潜り、水中爆雷に対する備えをした。
 予備のボルトを使って昇降口をピッタリと閉ざし、艦の音を消すために換気扇、冷房装置、あらゆる電源のスイッチを切ってしまった。
 3分後には地獄さながらの状態になった。
 六個の水中爆雷が艦の周囲で爆発し、われわれは水深87・5メートルの海底に激突した。
 みな恐怖にふるえ上がった。
 水深300メートル以内で攻撃を受けることは危険千万であり、150メートル以内ではまず死を意味していた。
 ところが、われわれが攻撃されたのは、水深75メートルそこそこの場所だった。
 安全度はほとんどないと言ってもよいほどの場所なのだ。
 15時間にわたって、日本の機雷敷設艦は水中機雷を投下しつづけた。
 爆雷が潜水艦から4・5メートル以内で炸裂したら、その衝撃で艦に穴が空くのだ。
 無数の爆雷が15メートルと離れていない場所で炸裂していた。
 出された命令は《身を守ること》、つまり寝床でおとなしく横になっていることだった。
 私は恐ろしさで息が止まる思いだった。
《絶対絶命》とはこのことだ……絶体絶命とはこれのことなんだ! 私は自分にこうくり返した。
 換気扇や冷房装置はすべて切ってあったので、艦内の温度は華氏100度を越えていた。
 だが私は恐怖で背筋が寒くなり、セーターと毛皮のジャケットを着た。それでもゾクゾクとふるえる始末だった。歯の根がカチカチと鳴った。ネットリしたひや汗がにじみ出た。
 攻撃は15時間に及んだ。
 それから突然にやんだ。
 明らかに日本の機雷敷設艦は水中爆雷を撃ちつくして、引き揚げたのだ。
 こんな攻撃にさらされた15時間は、1500万年にも匹敵するように思われた。
 私の過去の生活が、もう一度目の前でくり返された。
 私は、自分の犯した悪行のすべて、思い悩んだ愚にもつかぬ事柄一つ一つを思い返した。
 海軍に入隊前は銀行員だった。
 長い勤務時間や、安い給料、昇進の見込みがないことをクヨクヨと思い悩んでいた。
 自分の家を持つことができず、新車を買うこともできず、女房に新しい服を買ってやれないことも悩みの種だった。
 いつもガミガミと小言を言う年寄りの部長をどんなに憎んだことだろう! 
 夜、不機嫌になって帰宅し、ささいなことで女房と口論したことも思い出した。
 自動車事故でできた額の醜い傷あとについても気に病んでいた。
 数年前には、この種のことが何と大きな悩みの種だったことか! 
 けれども、爆雷に吹っ飛ばされはしないかとひや汗をかくうちに、そんなことはバカげたものに思えてきた。
 私はそのときに自分自身にこう誓った。
 もし再び太陽や星を拝むことができたら、もう決して、悩んだりはすまいと。
 私は潜水艦の恐怖に満ちた15時間の間に、人間の生き方に関して、シラキューズ大学における四年艦で書物から学んだものよりも多くのことを悟ったのだ」。

photo by miguel grafico



どんな人にオススメか



1、悩みで苦しんでいる方、つらい方

2、これから社会人になる方、すでに社会人の方


3、悩んでいる人の力になりたい方


4、何がしかのリーダーである方、リーダーになりたい方


 悩みは一生ものですから、一度、本書でよく知っておくことをおすすめします。


著者、デール・カーネギーについて

 
 
このような方です。

 もう少し知りたい方はリンク先のwikiをどうぞ。

『道を開ける』の冒頭部が、生い立ちと、なぜ本書を書くに至ったかなので、そこを読んでいただけるともっと詳しくわかります。

最後に 「悩みについてひと言」



 本書を読むのが一番ですが、


「悩みを消す」あるいは「解消する」という考え方は、いち早く認識を変える必要があります。


悩みは、軽くしたり、気にしないことはできます」が、

決して消し去ることができません」。


 心というものがあるかぎり、悩みは必ずついて回る、
 いわば心の自然の働きなのですね。


悩みの無い人生を生きるのは不可能なこと」でありますし、
逆説に聞こえますが、「悩みのない人生はたいへん味気のないもの」です。




 悩みに心や体を壊されてしまうことがいけないのであって、悩みそのものが悪いわけではないですね。



 運動と格闘技ばかりで頭が悪いので、簡単なたとえで恐縮ですが、重いバーベルを使って筋肉を鍛えることと同じです。


↓わたしのバーベルです。


 バーベルは重いです。

 トレーニングは、はっきり言って苦しいです、つらいです。

 高重量をあつかうと、目の中をまっくろくろすけがチラチラするなんて当たり前です。


 しかし、頑張って持ち上げていると、だんだん筋肉がつきます。
 

 筋肉が強くなるだけでなく、体型や姿勢も良くなります。
 自信もついてきます。

 

 しかし「重いの嫌だ」といって、いつまでも持ち上げない人の筋肉は、弱いままです。

 弱い筋肉は、なにかあったときに、決してあなたを助けてくれはしないでしょう。



 悩みも一緒です。



 「悩みは嫌なものでしかない = バーベルは重いから持ち上げたくない」
 ですね。

 悩みを、ただ嫌なものとして、無くしたいとか消したいのではなく、

 悩みは必要だからこそ備わっていて、心の力を強くする働きもあると、知ることがたいへん重要です。

 

 効能や性質をよく知って、うまく付き合っていくのです。


 幼年期には幼年期の、

 青年期には青年期の、

 壮年、老年となっても新しい悩みは出てきます。


 
「愛する人と結婚して、大金持ちになれば悩みは無くなる」のでは無いのですね。


 でも安心してください。


 工夫すれば、必ず楽しく、明るく、素晴らしい人生になります



 まず本書を読むことからはじめてみてください。

姉妹本『人を動かす』



 本書が良かったという方は、こちらもどうぞ。

リンク先 wiki(『人を動かす』)

『人を動かす』新装版(リンク先 amazon)

『人を動かす』文庫版(リンク先 同上)

『人を動かす』オーディオブック版(リンク先 同上)

 
 

 東大生のよく読む本として、


・『カラマーゾフの兄弟』
・『思考の整理学』



 このふたつがよく挙げられますが、

『道を開ける』&『人を動かす』は就職のお祝いなどでよくプレゼントされるものですね。



 

 以上です。


 ※小説以外にも書きたいことがたくさんあり、ついつい長くなりますね。

 

今日のひと言

今から一年も経てば現在の自分の悩みなど、およそ下らないものに見えるだろう。

サミュエル・ジョンソン 
※18世紀イギリスの詩人




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