『道をひらく』【作家がおすすめする本 〜人生を豊かにする本〜】

道をひらく 画像 【作家がおすすめする本 〜人生を豊かにする本〜】
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概要


【人生を豊かにする本】……作家がオススメの本を紹介するカテゴリーです。


はい、今回のおすすめはこちらです。


  • 【タイトル】『道をひらく』
  • 【著者】松下幸之助(経営者)
  • 【初版】1968年 5月 1日
  • 【出版社】PHP出版

PHP出版『道をひらく』



五百万部以上売れている本です。
ご存知の方も多いと思います。

著者は、「経営の神様と呼ばれた松下幸之助さん」です。

こちらは「人生をうまく生きるための本」ですね。


本は、大きく2種類で分けてもよく、

ひとつが「娯楽の本」、ひとつが「人生をうまく生きるための本」です。


娯楽の本」はスポーツで汗を流したり、YouTubeをみたり、映画を見たりと、なんに置き換えてもよく、余暇を過ごす選択肢のひとつですが、


「人生をうまく生きるための本」は、読んでおくと人生がたいへん楽になります。

語学の参考書と獲得能力に似ていると思います。

参考書を買って、毎日頑張ると、語学力がついてくる。



「人生をうまく生きるための本」を読んで、毎日の生活で試していくと、

人生をうまく生きる力がついてくる。



もちろん1冊でそのようにうまい話はないので、

絞って三十冊いったんのひと山が五十冊くらいです。


しかし一度きりの自分の人生を大事に考えるなら、それくらいの時間を使ってもいいと思いますね。



本書『道をひらく』は、「人生をうまく生きるための本」の中でも、

もっとも簡単に読めるので、「本とか苦手」という方にもオススメです。

おすすめのポイント



1、「簡単」、「読みやすい」  ☆☆☆☆☆☆☆☆(星8つ)


見開き1枚で1話の形式です。


小さなエピソードの集まりなので、すぐに読めますし、すぐに閉じられます。


待ち時間の合間とかぴったり。


むしろ一気に読まず、1日1つという感じがおすすめです。



平仮名と漢字のバランスが素晴らしく、とても読みやすいのもおすすめポイントです。


(本を読み慣れている方には、漢字が少なくて幼稚に感じられるくらいだと思います)



2、人生の基本、大事なことがわかる ☆☆☆☆(星4つ)


人生で何を大事にしなければいけないのか


人生で何を重要とすればいいのか、簡潔な言葉で書かれています。


これは仕方のない部分ですが、出版が1968年なので、さすがの松下おうといえど、現代に当てはまらない部分もあります。しかし人生を貫く基本は、いつの時代もほとんど同じです



3、背中を押してくれる、光を見せてくれる ☆☆☆☆☆☆(星6つ)


2021年現在、日本はじわじわ衰退しています。


夢や希望をとても持ちづらい国になったと言えます。


※海外と仕事をしている方は、よりはっきりとそのような空気を感じることでしょう。


しかし、そんな中でも、まず前を向かねばはじまりません


他人や国のせいにして、それで人生が好転すればいいのですが、

絶対にそれでうまくいくことはありません。




松下幸之助さんの力強く、シンプルな言葉は、すがすがしさに満ちており、

前を向く大きな力を与えてくれます。


力がついたなら、あとは歩くのみです。


こんな人にオススメ

  • 頭や心に乗っかるしつこい重さを、消したい・軽くしたいと思っている方
  • 人生をもっとうまく生きたいと考えている方
  • 人生をなんとなく過ごしてしまっていると思う方
  • 何者かになりたいという思いを持っている方
  • ビジネスにたずさわる方(新卒から経営層まで読んで勉強になります)



日本人以外の方であれば「日本」とか「日本人」のところを、自国に置き換えて読むとよいかと思います



列強諸外国に追いつき、追い越せの時代に書かれたものというのも理解しておきたいところです。

概要


本文より一部抜粋です。


1ページだけ紹介します。



日々是新ひびこれあらた

 年があらたまれば心もあらたまる。心があらたまればおめでたい。正月だけがめでたいのではない。心があらたまったとき、それはいつでもおめでたい。

 きのうもきょうも、自然の動きには何ら変わりはない。照る陽、吹く風、みな同じ。それでも心があらたまれば、見るもの聞くものが、みな新しい。

 年の初めは元日で、一日の始めは朝起きたとき。年の初めがおめでたければ、朝起きたときも同じこと。毎朝、心があらたまれば、毎日がお正月。あらたまった心には、すべてのものが新しく、すべてのものがおめでたい。

 きのうはきのう、きょうはきょう。きのうの苦労をきょうまで持ち越すことはない。「一日の苦労は一日にて足れり」というように、きょうはまたきょうの運命がひらける。きのうの分まで背負ってはいられない。毎日が新しく、毎日が門出である。

 日々是新なれば、すなわち日々是好日。素直で謙虚で、しかも創意に富む人は、毎日が明るく、毎日が元気。

 さあ、みんな元気で、新しい日々を迎えよう。」


このような短い構成がおおよそ100くらい集められた本です。



この考え方、大好きですね。

毎日を新しい日としてとらえることができれば、たしかに素晴らしい日々となることでしょう。

毎日元旦だったら最高ですね。



忙しくて忘れてしまいますが、
たとえばこれを書いている2021年3月20日は誰にとっても二度と過ごせない一日です。


日々是新について



題名の「日々是新」については、詳しい方はご存知だと思います。


本文中にも出ていますが、禅の「日日是好日にちにちこれこうじつ」が元となっています。
リンク先 wiki

※いろいろな解釈があるので、気になる方はリンク先をご覧ください。
(わたしは「毎日が良き日となるよう努力すれば、毎日が良き日となる」と解釈しています)



しかしそこは松下翁ならではの、素晴らしい独自の語り口と深い洞察ですね。


日々是好日については、題材・題名としていろいろなところで目にします。


わかりやすいところでは、山本周五郎先生の『日日平安』でしょうか。
(※リンク先 Amazon)


映画『椿三十郎』の原作といった方がわかりやすいかもしれません。
(何回か映画化されています。一番新しいのは織田裕二さん主演でした)


※こちらは「娯楽の本」です。


読後感が青空を思わせる、たいへんすがすがしい一作です。
(藤沢周平先生の短編、池波正太郎先生などがお好きな方にオススメです)





話はもどりますが、本書『道をひらく』は、考え抜いた先でのシンプルな哲学や信念は、
時代も国も越えることの、ひとつの証明だと思います。

最後にもうひとつ



こちらは各話の間にある文章です。




「この日本の国に

活力にみちた青春をもたらさねばならない

勤労者も 学生も

経営者も 家庭の主婦も

あらゆる職業の あらゆる人々が

自分のからをぬぎすてて

みずみずしい光の中へ躍り出よう

日本人すべての 平和と幸福と繁栄の道を

躍動する心で 今こそ真剣に考えるのだ


以上です。

ぜひ、1日1つお読みください。


※本書がよかったという方はこちらの続編もどうぞ。




今日のひと言

たくさんの言葉をろうしてわずかな思想しか伝えられないのは凡人のしるしであり、それに対して卓越した頭脳の持ち主はたくさんの思想をわずかな言葉の中に込める

ショウペン・ハウエル


次回は悩みと上手に付き合うための本『道は開ける』です。

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