※表紙画像 Gerd Altmann
序
すこし前の話になるが、三度めに会社を立ち上げることになり、
「もし会社を最初から運営できるとしたら、何を大事にするか」
経営者にそう聞いてまわったら何と答えるだろうか。
そう思った。
なんの本で読んだか失念したが、これについては、驚くほど似た答えらしい。
「挨拶」そして「掃除」だ。
組織を運営する方策は説明できないほどあるが、最初にとりかかるのがこのふたつ。
わたしも意見を同じくする。
ただ、このまま職員と共有するのは芸がないので、もう少し深い表現をしたい。
長くなったが、そこで参考になるが「日常の五心」だ。
「日常の五心」
- 「はい」と言える素直な心
- 「すみません」という反省の心
- 「おかげさまで」という謙虚な心
- 「私がやります」という奉仕の心
- 「ありがとう」という感謝の心
さまざまな仏教の法話でとりあげられるが、誰が言ったのか、何が出典かはわかっていない。
(リンク先「日常五心 世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺」)
簡潔、そして重要だ。
誰にせよ、これを作った方は卓越した知恵者と推察する。
このままでも心得として十分だが、成立がかなり昔と思われる。
(また会社で使いたいものでもある)
よって2021年現在においては少々補足し、わたしは以下「七心」とした。
「七心」
【素直な心】
・思いこみや独断をいれず、つねに虚心坦懐に耳を傾ける。
意見が対立しても「そうですね」と、一度は受け入れる度量をもつ。
【反省の心】
・間違えたら素直に謝る。自分の非を認めることで、成長がはじまる。
【謙虚な心】
・相手を立て、敬う。力を出しつつ自分は一歩ひく。
自分が世界の一部であると知り、「私が、私が」の心を捨てる。
それは無用な衝突を減らすことにつながり、幸せを増やす。
【奉仕の心】
・現代は、できることが非常に多い。
「If not me. Then who?」(わたしがやらなければ、いったい誰が?)そう思い、率先してやる。
【感謝の心】
・縁あって集まった職場、仲間、数ある取引先から選んでくださったお客さま、そのことに心からの感謝を忘れない。
「ありがとうございます」と、はっきり口にできる習慣を身につける。
【誠実な心】
・陰日向なく、嘘偽りなく、いつもまっすぐに人と接するよう心がける。会社の内外だけでなく、家庭でも、友人に対しても誠実に接する。
【思いやりの心】
・人間はいつだって自分本位なもの。「もし自分だったら」と相手の立場に立って、相手の心情を思いやるようつとめる。
「言葉は短いほど良い」
「余分な解説は無用」
作家としてはそう思わないでもないが、会社は阿吽の呼吸で通じる人から、まったく考え方の異なる人までさまざまに在籍する。
わかりやすいほうが良いだろうと考え、解説をつけた。
追加した「誠実な心」と「思いやりの心」について
「誠実な心」
→古今東西の本を読むかぎり、昔からどの国も虚飾にまみれるものだ。
だが一度きりの人生なのだから、人間の本性に負けずに、気分良く人生を生きたい。
嘘をつくのも見栄をはるのも人間の本能であろう。
しかし、誠実であろうと努力するのも人間の本懐。
そう思い、追加した。
今の世はどこも裏表がありすぎる。
(※当代の人間は皆、そう感じるそうだが)
それについて文句を言うより、裏表のない立派な人間として行動したい。
まとめ
言葉にすればどれも当たり前のことばかりだ。
しかし実践して生きようとすると、これほど難しいこともない。
常に意識し、繰り返し日常の中でおこなう。
いつか必ず身について、素晴らしい人間になれるだろう。
仕事もプライベートもうまくいき、周囲には波長の合う人が集まり、幸せを実感できることだろう。
私自身がまだまだ未熟な人間であるので、「五心」、「七心」は自分向けというのが種明かしだが、だれかの役に立てれば幸い。
今日のひと言
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