第２２環。母は子を探す。常識と本能を揺れ動き。不吉な予感は膨れあがり、子どもは帰ってこない。あの子が小さかった頃、様々な傷が思い起こされる。そして、その電話が鳴る。

第２１環。壮年の刑事は凄惨な現場で、次々と奇妙な何かを見かける。何枚もの子どもの爪。赤く明滅する発光体。黒カビのような謎の染み。そして、心底から見つからなければと、何かの間違いであればと願っていた「それ」を見つける。

第２０環。犯人の痕跡と死体を探す２人の刑事。血痕は、廃穴と呼ばれる大きな穴に続いていた。満々と海水をたたえるその穴で、刑事は奇妙な何かを見つける。深いはずの水面に伸び上がるそれは、赤く発光していた。

第１９環。爪と大量の血痕が見つかったという現場へ向かう２人の刑事。果たして現場は、想像をはるかに超える凄惨さだった。ここで何が起きたのだろうか。すべての環の中心である少年と怪物に向かって、刑事の環も重なっていく。

第１８環。平和な町を象徴したような海漁署に入った一本の電話。それは、網船磯で人間の爪が見つかったという通報だった。通報者は主婦、相原成子。成子は、小学校五年生になる娘が帰ってきてこないと刑事に告げた。

第１７環。新たな環のはじまり。海漁町で平和な時を過ごす壮年の刑事と年若い部下。この町で起きるのは、ささいな事件ばかりだ。しかし一本の通報が、彼らをもまた巨大な環の中に組み入れてゆく。

第１６環。母は何かに突き動かされるようにして現場へ近づいていく。母と娘の絆、しかしそれが母をもまた怪物へ導く。そして母は最悪の形で、娘がいた痕跡を発見する。

第１５環。家を飛び出ていった少女は、昼になっても帰ってこなかった。母親はいらだちながら娘を待つ。引っ越してから、うまく噛み合わなくなった家族の歯車。母親は、たいしたことはないと考え娘を待つ。しかしなにか恐ろしいことが起きていることを、感じていた。