『怒りそうになったときに自制できる、マハトマ・ガンジーの言葉』【世界の名言】
(訳)
弱いものほど相手を許すことができない。
許すということは、強さの証だ。
昔、追いかけられる夢をよく見た。
どこか川沿いの土手にひとりきり、草に隠れそうな道がどこまでもつづいている。
わたしは必死に走っている。
うしろから何か得体の知れないものが追いかけてきているが、
まるで、糊の海にでもつかったように、体がゆっくりとしか動かない。
ふりむくと、刃物をもった白いワンピース姿の女性がもう間近であるが
近づくほどに、獣毛が生え、四肢がねじくれ、異形の怪物に変わっていく。
起きたときには汗だくで、夢でよかったと胸をなでおろす。
だが格闘技をはじめて数年したころ、この夢に変化があらわれた。
体がすいすい動く。
それどころか、超人的な力を発揮できる。
怪物から逃げたりしない、まっこう勝負を挑み、これに勝ってしまう。
現実に鍛錬したことが夢におおきな影響をおよぼしたのであって、とても不思議だなと思った。
人と衝突し、怒り、その先で許せるか、そうでないかということも、これと似ている。
ようは鍛錬だ。
許す、許さないは、換言すれば怒りを引きずるか、引きずらないかということでもある。
若いころには、理不尽な目にあうと、いつまでも根にもったり、
恨んだりということがよくあった。
だがいまでは、「世界に本気で腹を立てることなど1つか2つしかない」
という姿勢であり、
「最近腹を立てたのは、いつだっただろうか」と思い出せないまでになった。
「100%片側が悪いという状況はめったにない」
「腹を立てていること自体、自分に損だ」
等々、さまざまなことを学んだからといえるし、
なによりも年を重ね、いろいろとうまくやれるようになってきたのだと思う。
「心の力は貯金の逆。引き出せば引き出すほど、多くなる」
この言葉は、本当のことだ。
『弱いものほど相手を許すことができない。
許すということは、強さの証だ』
ただ肝に銘じようと、いま思っているのが、
いままでは、怒りをぶつけられることが、ほとんどだったものが、
おおよそ30代から40代をすぎると、反対側になることだ。
部下のミスをいつまでも責めてしまう。
弱い立場の人間に、強く出てしまう。
これもまた、自分自身が弱いからそうなると言っていい。
怒りをぶつけられる側、ぶつける側、
どちらの立場になっても、人を許せる強さをもてればと思う。
『弱いものほど相手を許すことができない。
許すということは、強さの証だ』
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