経済界の会合では、有名な方々と多数お会いする。
貴重な時を過ごしていると思う。
かえすがえすも、貴重な機会をくださったS社長には心から感謝したい。
石破大臣、auをたちあげた千本倖生会長、
アジアIBM会長で現ICU学長の北城恪太郎氏、アスクルの岩田社長・・・・
日本銀行、三菱、丸紅など、大企業だけでも挙げたらきりがなく、
全国区ではないけれど売上高50~500億くらいの、
地元の有力企業の経営者にも、多数お会いできている。
この1年でおよそ400人ほどになるだろうか。
その経営スタイルは、ほとんどが個性的で、独特だ。
ある会社の社長は、
「伸くん、おれはね、なにはなくても2時間に1回は社員のあいだを歩いて回るんだ。
怖い顔をしてね。じっと後ろからパソコンを見てやる。人間はなまけるからね」
この企業の売り上げは申し分なく、業績も右肩上がりだ。
ある経営者は積極的にM&A(企業買取)をすすめている。
「伸くん組織はね、ある程度まで大きくなると、右手で八百屋、左手でITを扱うようになるんだ。
まずこれは世の中の波に対して強くなれる。
資金もあるから、老舗で実力があるところと手を組むことで、新規事業でも参入しやすい。
投資家も銀行もいつも応援してくれる」
この会社というかグループも、成長をつづけている。
存続が企業の命であるから、どちらも正しい経営方法なのだが、
好き嫌いでいえば、とくに1番目がわたしには合わないようだ。
どうにも社員の気持ちに、無神経である気がするし、
とくに優秀な社員は、信頼されていないと感じるのではないか。
長期目線でみれば、優秀な人財の流出を招いているのではと老婆心を抱いてしまう。
ただわたしが浅慮にこう言ったところで、上記2社の社長さんからすれば、
「では、おれたちの実績を越えてみせよ」と言われるだけ。
実績(やったこと)がすべてというのは、経済界のみならず、ひとつの真実である。
人が育つに、両親があって、祖父母があって、そのまた上があって、
生まれ故郷があり、友達がいてと、さまざまな環境があるが、
企業もまたそれぞれの生育環境が独自で、唯一のものだ。
この見地に立つと、人も組織も非常に似通っていてる部分が多く、面白いと感じる。
たとえば、
「人生は忍耐が大事だ」とか
「人の役に立つ人間になりなさい」とか
両親や恩師から学ぶことは、日本各地で共通する教えだ。
それと同じで、背後から圧力をかける社長さんも、伸び伸びとやらせる社長さんも、
「社員の生活を守る」、「社会の役に立ちたい」ということなどには、
発言を同じくしている。
してみると、人生であろうと組織であろうと、
やはり人というものがそこに介在するかぎり、
共通する思想があって、それこそが大事なのだという気がしてくる。
またそれらは、人と組織でそっくりだ。
たとえば「自分がして欲しいと思うことを、まず他人にしなさい」というのは、
成功の黄金律のひとつだが、人としても組織としても、
こうした基本を、今一度、大事にしていきたいと思う。
今日のひと言
『やり方は自由。本質は一緒』
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