『心の段階』

【シン説】
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『心の段階』

ふと思った。
「心を鍛える」技術体系がない。
これからの時代でたいへん重要になるであろう心についての技術だが、
ビジネス本やメンタルコントロールなどの本は数あれど、体系だっていない。
学校教育では倫理や道徳、会社では理念研修などがあるが、
2017年現在、ほとんど自己学習にまかされていると言っていい。
とても重要になる技術が、これではいけないだろう。
今回は心について、わたしが知りえていることを書きたい。
「心が成長していく段階」である。
まず、目に見える能力、すなわち「技術」については
理解がたやすいので体系化されている。
「腕を磨く」といえば、これは一般に技術の向上をさすが、
技術力をあげるステップは、
どの分野でもおおよそ共通していて、
・1段階目「知識の習得」

→書物、またはその道の経験者から必要な知識を集め、記憶していく段階。
これが手はじめ。
・2段階目「実践」

→知っているだけでなく、実行にうつす段階。
実行にうつすことで経験を積み、実地でしか学びえないものを獲得していく。
(ここが練り上げられると、いわゆる「智恵」になる)
・3段階目「反復」

→試行錯誤しながら、1、2をくりかえす。
これが技術向上の基礎法則であり、さらにのぼりつめていくと、
・4段階目
「視野を広げる(高くする、深くする)」
→仕事では異業種との交流、余暇では趣味などをもち、また旅行などをし、さまざまなことを経験する段階。
また社会的地位をたかめ、既存よりも大きな目で物事をみる段階。
いままでとりかかっていたことを見直せる目ができ、新たな発見を見出すための、
新たな価値観をつくる段階だ。
・5段目「創造力」

→本質的で、新しく、自己史上、無かったものを生み出す段階。
技術向上のステップは、このように体系化しやすい、そして実行しやすい。
本題になるが、技術を用いるわたしたちの心については、
「初級はここからはじめ、上級はこうなる」というような
段階を明示したものがない。
心のひとつの側面は語られることがあっても、鍛え方やトレーニング方法はあらわされていない。
いうまでもなくそれは、心のもつ、あやふやな性質がそうさせている。
あやふやであれば、万人共通のこたえが存在しないし、
「わたしはちがう」という意見がかならずあるからだ。
だがわたしの見るところ、技術力のステップと同じように、心は区わけできる。
それはこのようになっている。
・1段階目「動機」

→疑問をもつ、欲望をもつ、興味をもつ。
きっかけとなる働きはさまざまだが、心がその対象を、見逃しえないものとして、
明日以降も認知しつづける段階。
・2段階目「好意」

→「なんとなく気になる」程度のものが、
「ずっと気になる」、「手に取っていないと気がすまない」
など、心への占有率が大きくなっていく段階。
(恋愛に、とても似ている)
・3段階目「向上心」

→好きになったものについて、
腕を磨きたい、人より上にいきたい、1位になりたいなど、
うまくなるだけでなく、お金が稼げるようになりたいと思ったり、
現状からもっとのぼりたいと思う状態。
現状に不満足を感じる状態。
・4段目「執念」

→向上心が、信念や人生観などと混ざりあい、
なんとしてでも成し遂げたいといった熱意や、燃えるような意欲、あるいは志となる段階。
・5段階目「平常心」

→一心不乱にとりくむが、数々の失敗をへめて、がむしゃらさや、ひたむきさ一辺倒では、到達できない境地があることをしり、
集中力をもちつつ、余裕を、あいそなえた心持ちになる段階。
一日バーベルを持ち上げただけでは筋肉がつかないように、心を鍛えようと日々努力した果てに、心は鍛え上がっていく。
詳述すれば、
2段目と3段目には大きな谷があり、
3段目と4段目の谷はもっと深い。
だが4段目と5段目のあいだにあるのは、ただ年月の経過だけだ。
 このあたりはまた、機会があるときに語りたい。
最後にもし6段目を設定するとすれば、平常心のうえに「無心」がある。
我執、名誉欲、金銭欲などから離れたさきで、
ただひたすらに、自分の創りあげたものが、
前回のそれより、わずかでも優れていること。
そこに、えもいわれぬ喜びを感じること。
そうなった人が、自分が死んだあとも、生きた証を後世に残せる。
 
だが、残念ながら、世界の人々が全員鍛え上がった体を持っていないのと同様、心も、その人によって登れる地点というものがある。
見えないからといって、だれもが到達できるわけではない。
だがそれでも、わたしたちは学校教育で運動の大切さを教えられる。
そういうことだ。
今回は、心の段階を論じた。
次回はまたちがった側面を語ろうと思う。
今日のひと言
『心技体は切り離せず。
 どれも鍛錬せねばならない』
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