第４８環（わ）。円環に深く関わる港の漁師。網元で、凄腕ながら、漁師仲間からも変人と呼ばれている茶ん爺。だがどうしてかインチョーはこのへんくつな爺さんと気が合った。インチョーは、人食いザメについて調べるために、茶ん爺に会いに行った。

第４７環（わ）。自転車を買ってもらえぬインチョー。貧しい家庭。ひとりの老いた漁師の優しさが、貧乏に耐える母親の逆鱗にふれる。インチョーと、その自転車チャレンジャーの出会いは、おだやかではなかった。

第４６環。チャレンジャー。不思議な力をもっているインチョーの自転車。茶ん爺との縁、怪物との縁。チャレンジャーもまた、遠い昔に、環に組みこまれている。インチョー は港へ向かって、チャレンジャーを走らせる。

第４５環。ハカセが言った。「大ウミヘビだとしても、つかまえられるかもしれない」全員が賛成したが、インチョーだけはことわった。茶ん爺に今日こそ、言わねばならないことがあった。

第４４環。人食いザメなのか、大ウミヘビなのか、とにかく女の子を食い殺した怪物をつかまえようと、メンバーは相談をする。だがそれほど大きな生き物をどうやってつかまえれば？　思いついては、さまざまな道具を作ってきたが、メンバーには苦い思い出があった。

第４３環。よりぞえの木について、母と交わした会話。いまはまだ、少年の心になんの影響も及ぼさない。しかしそれは決して消えることなく、少年が成長すればいずれ芽吹く。

第４２環。始業式を終えた《失われた世界》のメンバー。巻きついた大蛇、自殺者たちの首吊り縄、アメリカ軍の火炎放射、さまざまないわれがある「寄り添えの木」。メンバー結成のきっかけでもあるが、インチョーは今も、あれが恨んでいると感じていた。

第４１環。隣の席の女の子。転校生。いつか秘密基地でマウスとハカセが熱く話していた子。それが今、現実となってインチョーの隣にいた。その子は小町光（こまちひかる）と言った。

第４０環。新しい先生、新しい席。インチョーにとっては、メンバー全員が一緒のクラスになれたことだけで十分で、ほかは興味がなかった。その時までは。その転校生はインチョー の隣の席に座った。